ミュージック・ビデオ(以下MV)も日本で製作されるようになり早25年。音楽、ミュージシャンのプロモーション映像として発祥したMVはプロモーション・ビデオ(PV)と呼ばれ、音楽産業における重要な宣伝ツールとして定着し、本数も増加の一途を辿り、年間約2500本もの作品が誕生しております。
宣伝ツールとはいえ作品によっては実験的、革新的な映像表現を取り入れるケースが多々あったことからも、国際的なデジタルビデオ祭、各メディアの皆様からもその作品性は評価され、独立した音楽映像作品=ミュージック・ビデオと呼称されるに至りました。作品性や認知度に加え、現在ではインターネットや携帯電話の動画コンテンツ配信、DVDパッケージ販売等、宣伝ツールでありながら商品価値を持つ、特異なメディアへと成長し需要の幅を広げている事は、製作者にとって喜ばしい限りです。
その一方、音楽産業はCD販売から配信サービスへと流通経路を変化させつつある中、レコードメーカーのCD売上低下に伴う宣伝費削減は避けられない状況になっています。現在、映像製作現場はその打撃を直に受けて、製作会社はじめ製作スタッフ陣は非常に困難な環境で製作せざるを得ない状況下に置かれていることも事実です。需要の高まりに相反し、有能なスタッフや才気ある人材に適正な対価を支払えないジレンマ、環境変化への対応の遅れを抱え、結果、クリエイターのMV離れが見受けられることは誠に残念な事であり、「作品を作る」ことだけに専念して来た状態を、我々製作者自身反省して止みません。
コンテンツとして商品化など多岐にわたる活躍が望まれるようになった今、より多くの方々に楽しんで頂けるよう、また映像文化財としても更に育んで行けるよう現況を見据え、責任の一端を担うべきではないか。そのような発想に至った製作会社有志が一同に会し、2007年4月「日本音楽映像製作者協会(英語表記:J-Music Video ProductionAssociation)」を発足することとなりました。
理事長からのご挨拶
「音楽好きで映像を愛する人」であり、ミュージック・ビデオを見る事も作る事も大好きな職人たちが集まってこの親善団体は発足しました。今後、曲名がリストで表記されるPCでの音楽世界がより増加した時に、映像表現による差別化、つまり曲を映像と共に記憶に残す行為がもっと大事となるでしょう。M.Videoは文化であり、ファッションでもあり、そして作家たちは音楽家のよきスタッフであり、映像でセッションするアーティストです。カッコイイ事が唯一、自由にできるメデイア、それを愛する会をよろしくお願いします。
理事長 中野 裕之 (ピースデリック 有限会社 代表取締役)
会員からのコメント
創り続けて早、19年。数々のアーティストと出会い、数々の楽曲と共に映像を送り出して来ました。ひたすら創り続けてきてわかることは、基本的に20年近く前と映像制作の環境は変わっていないことです。 見渡せばいつも過酷で、若さだけが頼りの未熟な映像制作環境。それを見過ごしてきた僕らに責任はあります。 そして今、ミュージックビデオを愛してやまない僕らが、手を組んで立ち上がることに「ついにこの時がきたか。」そんな気持ちです。
大好きなミュージックビデオの為になにをしてあげられるかな。楽しみです。
竹石 渉(株式会社ディードライヴ)
私たちは単なる受注業者ではないのです。
音楽はその旋律やリズムから人間自身の内面生活を感じ取ることができる芸術です。同じように音楽映像もそのアイディアや色彩やストーリー、カメラアングル、編集のリズムによって人間が日々の生活に追われているだけではなく内なる世界の広がりに気づき、未来を感じ、世界が広がっていく事を予感させてくれる人間的な芸術行為です。
そしてその芸術行為が私たちの尊厳を支えてくれるのです。
丹下紘希(有限会社イエローブレイン)
ミュージックビデオ(MV)が創生期から成熟期に入った今、環境整備の必要性を強く感じています。 様々なクリエイティブ界にインスピレーションを与え、時代の感受性を反映した、未来を予見するような考察が内包するMVの可能性と健康的促進に是非、応援を賜りたいです。
またMVの制作者達も襟を正して、MVの楽しい社会貢献に努めていきたいと思います。
寺井弘典(株式会社ピクス)
MVの世界が始まって25年余り、やっとこのような協会が誕生して、本当に良かったと思っています。先ずは協力&賛同してくれた方々に感謝!MVの世界は映像の実験場です。次々と新しい技術や感性が生まれ、映像世界を進化させるクリエイティビティー高い素晴らしい世界、僕の大好きなワールドです。激しく変化するこの時代、MV業界も音楽業界もイロイロ大変ですが、この協会が、MVや音楽に携わる人々にとって何らかの助けになり、映像&音楽業界全体が常に魅力的な存在でありつづけるよう、そんな活動をして行ければと、切に、切に、思います。
山口保幸(有限会社オンブ)
